私は新人から3年間、循環器内科の急性期で働いていました。
混合病棟ということもあり、糖尿病や腎臓疾患などの代謝内分泌や呼吸器疾患の患者さんも多く入院している病棟でした。また、内科ではありましたが外科の患者さんがいる部屋も確保されていたためオペ出しも日常でたくさんあるという少し変則な病棟です。
そのおかけで内科と外科の二つを同時に経験することができたので、どちらを専門にしていくか今後の方向性にはなりましたが、残業も多くとても大変だったのを覚えています。
就職先が決まり、何科にしようか?実際に経験しているわけではないので、悩む方も多いでしょう。
そんな方々の参考になればと、なるべく詳細に1日の日勤での流れを紹介します。
各病院によって流れは多少違うのもありますが、明らかに慢性期とは違うので急性期はこんな感じと思ってくれれば良いです。
目次
急性期のある1日のタイムスケジュール
「情報収集」「タイムスケジュール作り」「点滴作り」
7:10〜8:30
始業時間は8時30分からなんですが、1日に10〜12人は受け持つため早い時間から情報収集します。特に急性期は1日で状況がめまぐるしく変化するので前日、前々日とどのような経過を辿っているのか一人一人の情報収集するので時間がかかります。
申し送りが終了した後からすぐに動けるように、この時間でタイムスケジュールを自分で立てなければならないので更に時間がかかります。慣れてくれば紙面に起こさなくても頭の中で計算しながら動けるので良いのですが、慣れないうちは何時に何をするまで書かないと処置が抜けたら大変なので朝早くから出勤して計画を立てます。
残った時間で少しの余裕があれば点滴を作ります。これも、パソコンでバーコードを読み取り、患者さんに投与する正しい薬剤なのか確認してから作るので時間がかかります。量が多い時は作るだけで40分程時間がかかるので少しでも作っておけると動きやすくなります。
「朝の挨拶」「申し送り」
8:30〜9:00
8:30から全体の挨拶が始まります。その後、各チーム毎に別れてカンファレンスがあります。患者さんことで困っていることなどみんなで話し合う時間です。お互いに意見を出し合い、治療方針を考えていきます。また、連絡事項があればこの時間でします。
カンファレンスが終われば夜勤者から日勤者への引き継ぎが始まります。夜勤中にどんな状態だったか詳細を教えてくれます。特に状態が異常だった患者さんの情報については細かく聞いて、日勤で注意して観察していく必要があります。
「オペ出し一覧確認」「部屋周り」
9:00〜12:00
ここでようやく日勤が始まります。
先ずは、自分のその日担当する患者さんの中にオペ室に送る人がいるか確認します。もし、いる場合は時間を確認し、送り出す時間に合わせて着替えなど準備をします。
その後、朝に作っておいた点滴を持って各病室に行きます。全員の血圧など測定していきます。その間にレントゲンやCTが呼ばれれば下の階に連れていきます。往復で時間がかかる時は最初に立てたスケジュールが崩れていくので修正も必要です。
点滴を繋げるだけではなく、褥瘡処置やエコー検査の介助、心電図モニターチェックなど多くのことをしなければなりません。
「休憩」
12:00〜13:00
午前中のバタバタが終えて、すぐに昼休憩がきます。1時間ありますが、11時30分に検査に呼ばれ、病棟に戻ってくるのが12時20分とかになると40分位の休憩になることもあります。ご飯も食べずにそのまま勤務終了時間になるなんてこともあります。
「清拭」「シャワー介助」
13:00〜14:00
昼休憩後、患者さんの清拭やシャワーに入ってる間の見守り、介助があります。学生の頃、手順などを確認しながら練習したりしましたが、ほとんど順番通りにはやりません。患者さんの苦痛や状態に合わせて行います。ルート類がたくさん付いている患者さんの清拭は、外れないしないように慎重に行うのでより時間がかかります。
「オペ出し」
14:00〜14:30
14時30分から手術に行くため、その前に患者さんの着替えや持ち物の最終確認をします。必要な点滴があればそれも作成し、繋げる必要があります。30分程時間をかけてチェックしていきます。
「部屋回り」「点滴交換」「処置」
14:30〜16:00
午前中に回りきれなかった処置などをします。患者さんの痰が溜まっていれば吸引する。午前に繋げた点滴が終了しそうになっていれば交換します。
更には、心筋梗塞になった方への栄養指導やインスリンを使用する人への指導も行います。パンフレット用いて、退院後も実施できるように入院している間に説明して評価するのも看護師の仕事になってきます。
「申し送り」
16:00〜16:30
夜勤者が出勤してくるので、日勤での患者さんの状態を申し送ります。夜勤の時間でお願いしなければならない処置などはしっかりと時間も伝えることが大切です。
「記録」
16:30〜17:30
1日に自分が担当した患者さんの記録を書きます。患者さんの言動や、アセスメントを打ち込んでいきます。何か指導した時や心停止などイベントがあった時は細かく記録するので結構時間がかかります。また、この時間で急変が起きた時は日勤で対応しなければならないので記録する時間がなくなり、残業となります。
おわりに
大体こんな感じで1日が終わります。この日は急患が入院することがなかったですが、このスケジュールに更に状態が悪い患者さんを受け入れるとなると、13時頃にできた清拭などが後回しになるので全ての行程が遅れます。
急性期病棟にいた時はそんな生活が日常茶飯事で、定時に終わることは1日あったかなかったかというレベルでした。とにかく、しなければならない処置が多く、それでいて検査などもたくさんあるイメージで大丈夫です。
大変ではありますが、急変時の対応や患者さんの異常に気付ける能力が身につくのは間違いなく急性期の方が学べます。
以上、とある急性期の1日の流れ紹介でした。
参考になっていただけると幸いです。
